人材紹介の業務委託というのは、フリーランスなどに業務委託契約で人材紹介の仕事を発注する行為のことです。違法となる可能性があるので、注意してください。ここでは、人材紹介業の業務委託について、どのような問題があるかを解説します。
人材紹介業の仕事を業務委託する行為は、違法行為となる可能性が高いです。人材紹介会社が業務委託に発注するという事例が増えており、求人サイトでも多数の求人がヒットすることがあります。しかし、法律上は、「名義貸し」や「無免許での職業あっせん」に抵触する可能性が高いです。摘発されたというニュースはあまり聞きませんが、今後摘発が活発になる可能性もあるため、注意してください。次の章では、違法性がある理由や違法性があるのに需要がある理由などを紹介します。
労働基準法では、「中間搾取の排除」という条文があります。要するにピンハネを禁止するという法律です。第三者が他人の就業に介入して利益を得ることを禁止しています。正確には、「法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」となっています。
法律に基づいて許されている場合は、人材紹介業で利益を得ることができますが、法律で許されていない人が人材紹介業を行って利益を得ると、中間搾取に該当する可能性が高いです。
「業として」というのは、反復継続して行うことです。業として人材紹介を行うには、「法律に基づいて許され」ている事業者でなければいけません。国が免許を与えた無料・有料職業紹介事業は、業として他人の就業に介入できますが、免許がなければ人材紹介をしてはいけません。
ちなみに、有料職業紹介とは、営利目的かどうかに関わらず、手数料や報酬などの対価を受けて行う職業紹介のことです。港湾運送業と建設業は職業紹介が禁止されていますが、他の業種は厚生労働大臣から許可を得ることで紹介することができるようになります。
無料職業紹介は、手数料や報酬を徴収しない人材紹介です。学校や商工会議所、地方公共団体が行うものが挙げられます。
職業安定法の第三十二条の十には、「有料職業紹介事業者は、自己の名義をもつて、他人に有料の職業紹介事業を行わせてはならない」と定められています。名義貸しを禁止する条文です。
免許を取得しているA人材紹介会社が、無免許のBに対して権限を渡し人材紹介を行うようなケースは、名義貸しとして違法になる可能性があります。違法となった場合の罰則は、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」です。
人材紹介の業務委託は、名義貸しに該当する可能性があります。
違法性が高いにもかかわらず人材紹介の業務委託が増えているのは、人材紹介業が労働集約型のビジネスモデルであることが影響しています。継続的に売り上げを上げるためには、動く人材の確保が不可欠なのです。求職者をたくさん抱えていても、マッチング先がなければ利益になりません。逆に企業をたくさん抱えていても、マッチングする人がいなければやはり事業になりません。企業と求職者の両方を増やして、管理し、マッチングするということを継続的に行うためには、人的リソースを確保する必要があります。人を雇えばその分コストの負担が大きくなってしまうため、低コストで人的リソースを確保できる業務委託のニーズが高まっているのです。
業務委託は、使用者から指揮命令を受けず、労働時間も管理されません。そのため、労働基準法が適用されないという特徴があります。企業としては、コストがかからないという点が大きなメリットです。働き手としては、自分の好きなやりかたで仕事を進められる自由さに魅力を感じます。副業としても取り組めます。企業のメリットと働き手のメリットがかみ合っていることが、人材紹介の業務委託が増えている要因のひとつです。
人材紹介で業務委託をすると違法と判断される可能性があることを説明してきました。業務委託にはメリットも多いため、依頼したいと考えていることもあるでしょう。そんなときは、適法に運営するため、労働局へ相談することをおすすめします。職業紹介事業に関する窓口は労働局、労働者の賃金や労働条件などの問い合わせは労働基準監督署です。自分で判断すると違法性を問われる可能性があるので、専門機関に相談して、安全な運営を心掛けましょう。
人材紹介は、業務委託で運営すると、中間搾取や無免許、名義貸しなどの違法性を問われる可能性が高いです。人材紹介は、国の許可を受けた事業者だけが行えます。フリーランスなどに委託すると会社の免許の名義を無免許の個人に貸して人材紹介を行っていると判断される可能性があるのです。現状は、メリットの大きい業務委託を活用している会社も少なくありません。適法に運営するためには、労働局に相談しましょう。
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